みなさん、こんにちは。
奈良市を中心にケアマネジャーとして活動しています山﨑です。
10月21日(水)の夜、大阪府社会保険労務士会 大阪北東支部のセミナーに登壇してきました。
テーマは「知っておきたい!仕事と介護の両立支援のリアル ~制度がある企業から、両立できる企業へ~」。
一般社団法人両立支援協会の代表理事・進絵美さんとご一緒しました。
社労士の先生方は、制度のプロです。
その前で「制度がある」だけでは足りない、という話をする。
正直、少し緊張しました。

まず、数字の話から
最初に社会情勢をお話ししました。
・高齢化率は29.1%
・働きながら介護をしている人は約365万人
・介護や看護のために前職を離職する人は年間約10万人
・仕事と介護の両立困難による経済損失は、2030年に約9兆円と試算されている
年間10万人は、大阪市阿倍野区の人口とほぼ同じです。
毎年、ひとつの区がまるごと仕事を辞めている。そう考えると、他人事ではなくなります。
「制度があること」と「安心して使えること」は別
今回いちばん伝えたかったのは、ここです。
介護休業は、対象家族ひとりにつき通算93日。
ただ、この93日は「ずっと付き添って介護するための休み」ではありません。
ケアマネジャーに相談する、介護サービスの契約を済ませる。
つまり、自分が休まなくても回る仕組みをつくるための期間です。
つきっきりで介護するために使うと、心身ともに疲弊して、かえって離職のリスクが高まります。
制度は、使い方まで伝わって初めて意味を持ちます。
個別事例では、パート勤務への変更を希望された40代の女性の事例をご紹介しました。
好きな仕事を続けたい。でも、時差出勤にも申し訳なさが残る。
そんな気持ちに、制度があっても安心して使えるとは限らないんだな、と改めて感じた事例です。
上司の言葉が「正解」とは限らない
「大変だね。落ち着くまで介護に専念していいよ」
「君にいてもらわないと困る。仕事を続けてくれ」
「〇〇すればいいよ」
どれも、優しさや責任感から出る言葉です。
でも、私たちがお伝えしたのは、まず受け止めること。
「そうなんですね。相談してくれてありがとう。一緒に考えていきましょう」
そこから、課題の整理を手伝い、選択肢を示し、本人が選ぶのを支える。
ケアマネジャーがふだんやっていることと、実は同じです。
その中心にいるのが、従業員本人です。
産業ケアマネ、企業、地域のケアマネジャー、医療・介護サービスがそれぞれの場所から支える。
当日は、バスケットボールのゾーンディフェンスに例えてお話ししました。


両立支援は、福利厚生ではなく「人材戦略」
もうひとつ、お伝えしたことがあります。
仕事と介護の両立支援は、福利厚生ではなく、人材定着・人材安定のための戦略だということ。
「休ませるか、休ませないか」ではなく、
「どうすれば、この人が力を発揮しながら働き続けられるか」。
その問いに変えるところから、制度がある企業が両立できる企業になっていくのだと思います。
まずは「知る」こと。
そして、課題を整理することから始めてみてください。
当日の様子が、1枚の絵になりました
セミナーの内容を、グラフィックレコーディングにまとめていただきました。
2時間近い話が、1枚の絵にぎゅっと詰まっていて、感動しました。
参加してくださった産業ケアマネの方からも、うれしい感想をいただきました。
産業ケアマネが関わったことで介護離職をせずに両立できた事例と、会社の制度が社員さんにうまく伝わっていなかった事例。
どちらも、介護と制度の両方を知っているからこそできる支援だと実感した、とのことでした。
同じ思いを持つ仲間がいることが、何より心強いです。

おわりに
お招きくださった大阪北東支部のみなさま、熱心に聞いてくださった社労士の先生方、ご一緒した進さん、参加してくださった産業ケアマネのみなさん。
ありがとうございました。
奈良でも、企業のご担当者さまや社労士の先生方と一緒に、
「制度がある」から「両立できる」へ。この一歩を、ひとつずつ積み重ねていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、今日も素敵な一日になりますように!






